Apple Time   |   ニューヨーク近郊で障害児を育てる親の会

Apple Time スペシャルニーズを持つ子供達と家族の会

21歳以降

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成人となった障害者への福祉サービスはNY州障がい者福祉支援局(Office For People with Developmental DisabilitiesまたはOPWDD)を通して受けることになります。 発達障害とありますが、知的障害、自閉症スペクトラム、ダウン症、脳性麻痺など広く障害者への支援を含みます。

認定されると受けられるサービスやサポートとして、社会生活のための訓練、医療、住居、リクリエーションなど日常生活に必要なものに加え、就労のための適正職業を探すことや訓練、就職後の職場でのコーチングや支援や、本人のみならず家族への支援があります。

OPWDDはNY州5地区 (Reginal Office) に分かれていて、認定申請書類は該当する地域のオフィスに提出することになります。ウエストチェスターだとHudson Valley Officeへ、NY市だとMetro Officeへ提出と異なります。 

認定申請(Eligibility)の受付・審査をするのが、OPWDD内のFront Doorと呼ばれる担当部署です。高校卒業前に必要書類を提出し、認可の回答を待ちます。 障がいの内容や複雑さなど個人差があるので、即認可される人もいますが、専門医による診断書などの追加書類提出、サイコロジストによる追加検査の結果報告、本人面接などが次々と要求され、審査に一年ほど時間がかかる場合も少なくないのが実態です。日本人の場合は、母国語でないための言語の遅れや発達一般の遅れとみなされがちで、障がいを証明するためにバイリンガルのための心理診断テストを別途行い書類提出する場合もあります。

提出書類としては、障がいがあることを証明するもの例としては、
-A full scale psychological evaluation, completed within the last 3 years, establishing IQ
-A adaptive behavior scale such as the Vineland II or the Vineland II or the ABAS II
-A psychosocial report, social history or other background report that indicates that the disability occurred before the age of 22
-A physical evaluation completed within the last year, including diagnosis
-Any specialty reports relevant to the individual (neurological, psychiatric, etc.)
-Any previous evaluations referenced in the above documentation (a previous psychological evaluation) -Current IEP or Pre-school evaluation

上記のすべてが必要というわけではなく、該当するものを提出することになります。また書類は州法で義務付けられたものが多く、学校ですでに行っている3年ごとの知能・心理テストや検査書類でCSEミーテイング時に受け取っているものなので、そのコピーを送ることができます。加えて小さい時に受けた脳波検査や診断書、小中学校時に受診した精神科での治療に関するもの、過去のスピーチセラピストや作業療法士による査定書など以前から障がいが認められる専門家による書類があれば提出します。高校支援学級の先生に相談、確認するのがよいでしょう。

ウエストチェスターの場合、福祉課担当者が提出書類のレビューやOPWDDからの回答への対応など個別にサポートをしてくれますので、予約をとって相談されることをお勧めします。

Mr. Mathew Faukner, Community Work Assistant
Westchester Department of Community Mental Health
http://www.westchestergov.co/mentalhealth
Tel: 914-995-5253

審査結果通知は郵送で自宅に送られてきます。 
一旦却下されても、申し立ての手紙を送り、面接予約をとり、支援なしには日常生活が困難であることや一過性のものでないことを説明をし、親以外に専門家や高校の先生に同席、証明してもらいやっと認可されることも多々あるので、学校の先生と相談してみてください。
認定の通知がOPWDDから送られてきたあと、地域(カウンティーなど)で障がい者が地域で受けられるサービス担当機関や相談所、ファミリーサポートなどの連絡先の資料が届きます。

 

サポートの種類


資金面から連邦政府によるもの(Medicaid)とNY州によるもの(OPWDD)と別れるのですが、Medicaid Waiverとして無料で受けられる様々なサービスがあります。 MedicaidはTransition Planningで触れましたが、Supplemental Social Income (SSI) 取得と同時に認められることが多いです。

OPWDDのファンドを通して得られる主なサービスとして、

・Home and Community-Based Services (HCBS)  最も多い支援で、一時緊急避難のRespite、 就労支援、地域生活支援、ボランテイア活動やリクリエーションなどの支援、住居の支援など家やコミュニティで日常をおくるための包括した生活支援です。
・在宅で重度の医療措置や支援が必要な人のためのサービス。
・Medicaid Service Coordinator 多岐にわたるサービスの中から個人にあったものを探し出し、アレンジをしてくれる人です。 州政府に申請・登録・報告等手続きを担当してくれます。
・Residential Care 住宅支援
・そのほかの健康に関した問題やサービス(Article 16 clinic service)

HCBS, MSCそれぞれに州政府に申請、認可が必要で、これらは成人プログラムを行う福祉サービス・エージェントが助けてくれることが多いです。
MSCは必要なサポートが得られているか、サービスが合っているか、状況や希望に応じて、支援のプログラムを立て、Individual Service Plan (ISP)としてまとめます。 年一度、本人、親、サービスにかかわった専門家やエージェントなどを交えミーテイングを開き、プログラムの適正や進展、次年度の目標やプログラムの変更などについて話し合い、報告書を作成提出します。また年の半ばに、家庭訪問をし、本人や家族から話を聞くことが義務付けられています。

Medicaid Waiver Serviceの利用方法については、エージェントに一括任せる方法(Agency-Managed) と個人の自由裁量を活かし資金の授受から報告までのすべてを個人で管理する方法(Self-Direction) あるいは両方の組み合わせなどあります。
エージェントによってサービスプログラムが異なるので、本人にあったプログラムを探すのが最も難しいと思います。 エージェントもMSCも希望に合わないときは、変更願いをだして、いつでも変えることができます。

将来の住居については、グループホームで24時間サポート付き、またはアパートでのシェアで24時間サポート付き、アパートでの一人暮らしで決まった時間(朝と夕方のみ)サポート付き、など様々な形態があります。 まずはサービスを希望する意思表示として、NY Care Listに登録が必要となります。担当は、

Ms. Cindy Lanza, Residential Service
Westchester County, Community of Mental Health
Tel: 914-995-5276
NY州では、地区により行政の違いはありますが、しくみはほとんど変わりがないと思います。詳しくは、地域に直接訊ねて確認ください。


ウエストチェスター地区のエージェントやリソース
http://disabled.westchestergov.com/listed-by-disabilities-served/developmental-disabilities

マンハッタン地区のリソース
http://www.manhattanddcouncil.org


   

     
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