Apple Time   |   ニューヨーク近郊で障害児を育てる親の会

Apple Time スペシャルニーズを持つ子供達と家族の会

 

支援が必要な人へ ~NY州の場合 3歳まで

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EI(Early intervention)プログラムについて
0歳から3歳までのセラピー(療育)は、Early intervention (EI)といい、三歳以下の子供に無料で提供されるプログラムです。
支援を受けるまでの流れは、以下の通りです。


1 ファミリードクターに相談
子供の発達に不安がある場合は、まずファミリードクターに相談します。
何らかの支援を受けた方がいい場合は、ドクターよりサービスを提供してくれる機関へReferされます。
また、Early intervention (以下EI)は障害の有無にかかわらず、発達に遅れのある子供が受けられるサービスですので、発達に関して心配な事があれば、相談してみる事をお勧めします。


2 EIサービスコーディネーターへ連絡
支援やサービスが必要であるかの判定(Evaluation)をしてくれる機関と連絡を取り合います。
かかりつけの病院が直接連絡を取ってくれますが、もし自分で連絡するようにと言われたら、どこに連絡を取ればいいのかをドクターや病院の受付で聞いてみましょう。


3 担当のEIサービスコーディネーターより連絡が来る。
ファミリードクターから連絡をした後、EIの担当サービスコーディネーターから確認のための電話が来て、査定(Evaluation)についての説明や予約が行なわれます。
後日、EIオフィスから、生育歴などを記入する書類があらかじめ郵送されて来ると思うので、Evaluationの時にすぐに渡せるように記入しておきましょう。


4 Evaluation(セラピー等のサービスが必要であるかの査定)
担当のスタッフが自宅まで来て、子供に対する面接などを行ないます。
作業療法(OT)、理学療法(PT)、言語療法(ST) など、複数のセラピーが必要な場合は、セラピーの数だけ Evaluation があり、必要に応じて心理療法士やソーシャルワーカーとの面談をする場合もあります。

生育歴などは、書類に書いていても改めて聞かれる場合が多いので、メモ等を用意しておきましょう。低出生体重児の場合、生育歴に加えNICUに何日入ったか、どのような治療をしたか等を聞かれます。
また、出生時や現在の身長体重は、インチとポンドで聞かれるので、あらかじめ換算しておく事をおすすめします。


5 ミーティング
Evaluationが終了すると、日を改めてその結果に基づいたミーティングが行なわれ、セラピーの回数や時間などが決定されます。
もし提示された回数では足りないと思った場合などは「それでは足りないのでもっと増やして欲しい」など、自分の意見をしっかり言いましょう。
また、日本語が通じるセラピストさんがいるかも知れないので、日本語が通じる人がいればその方にお願いしたいとリクエストする事もできます。


6 セラピストの紹介・施設の見学
2歳未満の場合、セラピストが自宅に来て、マンツーマンの個人セラピーを行ないますが、2歳から3歳の場合は、自宅でセラピーを受けるか、学校に通うかの選択ができ、必要に応じて自宅のセラピーと通学の両立もできます。
また、自宅でのセラピーを希望した場合、自宅以外の場所で受ける事もできます。
保育園(Daycare)で過ごしているお子さんは、保育園で受ける事が可能です。

学校に関しては、現時点では就学前児が日本語で通える学校はないため、英語のみの環境になりますが、日本語のセラピストさんが見つかった場合などは、そのセラピーの時間だけ学校に来てもらう事ができます。

学校の選択肢は実にさまざまで、軽度の遅れがある子供のための学校、自閉症や広汎性発達障害に特化した学校、身体障害児のための学校、色々な障害児を受け入れている学校、健常児のクラスもある学校など、さまざまです。
見学に行って、親子共に気に入った学校を選びます。
また、学校によってはEIプログラムまでしか行なっておらず、3歳以降のプログラムに移行する際は新しい学校を探さなければならない事もあるため、同じ学校での継続した支援を希望する場合は注意が必要です。

通学に関してはスクールバスが利用できるので、車の運転ができない、場所が不便、などの心配はありません。
ただし法律で、スクールバスに60分以上乗ってはいけないと決まっているため、あまり遠くの学校を選ぶ事はできません。

また、スクールバスの送迎も、自宅以外の場所に指定する事ができます。
共働きなどの事情で保育園に預けているような場合は、朝は自宅に迎えに来てもらい、帰りは保育園に送ってもらう、といった方法もあります。


7 セラピー方法の決定と開始
担当セラピストさんが決定したり、通学する学校が決まったら、いよいよセラピーの開始です。 開始後は半年に一度、セラピーの効果や目標を話し合うミーティングが行なわれ、子供に合わせた調整が行なわれます。
必要ないと判断されれば時間や回数が減る事もありますし、新たに発達に不安な部分があればそれに関するEvaluationを受け、新たなセラピーが開始される場合もあります。
このミーティングは、半年を待たなくても、親が希望すればいつでもセッティングしてもらう事が可能です。
また、学校やセラピストさんと合わない、不満がある、という場合は、ミーティングに関係なくいつでも変更できます。


補足
Evaluationが終了し、セラピーの詳細を決めるミーティングの連絡が来たら「ミーティングの時には日本語の通訳さんをつけて欲しい」とリクエストしましょう。
必ず来てくれるとは限らないのですが、可能な場合が多いです。
また、OTやPTなど、体の動きを見るようなEvaluationではそれほど英語力は必要ないですが、STのような言葉に関するEvaluationの場合は、子供が日本語で言った事を英語に訳するように言われる場合もありますし、多少の英語力は必要になってきます。



     
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