Apple Time   |   ニューヨーク近郊で障害児を育てる親の会

Apple Time スペシャルニーズを持つ子供達と家族の会

 

支援が必要な人へ ~NY州の場合 5歳まで

image

CPSE(Committee on Preschool Special Education)プログラムについて
3歳から5歳までのセラピー(療育)は、Committee Preschool Special Education (CPSE)といい、学校区の管轄になります。
こちらの項目は、EI(三歳以下のプログラム)の内容と重複している部分があります。

1 ファミリードクターに相談
子供の発達に不安がある場合は、まずファミリードクターに相談します。
何らかの支援を受けた方がいい場合は、小児科医もしくは専門家がニューヨーク保健省の Early Intervention Official にREFERする必要があります。

また、このプログラムは障害の有無にかかわらず、発達に遅れのある子供が受けられるサービスですので、発達に関して心配な事があれば相談してみる事をお勧めします。


2管轄の学校区へ連絡
支援やサービスが必要であるかの判定(Evaluation)をしてもらうため、お住まいの地域を管轄している学校区Committee on Preschool Special Education(就学前特別教育委員会、以下CPSE)へ連絡します。
EIから続けてサービスを受ける場合、ファミリードクターが直接学校区に連絡してくれる場合は、特にする事はありません。


3 CPSEの担当者より連絡が来る
ファミリードクターから連絡をした後、CPSEの担当者から確認のための電話が来て、査定(Evaluation)についての説明や予約が行なわれます。
今までEIを受けていた場合でも、新たにEvaluationや手続きが必要になります。
後日、CPSEから、生育歴などを記入する書類があらかじめ郵送されて来ると思うので、Evaluationの時にすぐに渡せるように記入しておきましょう。


4  Evaluation(セラピー等のサービスが必要であるかの査定)
担当のスタッフが自宅まで来て、子供に対する面接などを行ないます。
作業療法(OT)、理学療法(PT)、言語療法(ST) など、複数のセラピーが必要な場合は、セラピーの数だけ Evaluation があり、必要に応じて心理療法士やソーシャルワーカーとの面談をする場合もあります。
過去にEvaluationを受けた事があれば、その時に記録を用意しておくといいかも知れません。 また、EIを受けている人は、現在どのようなサービスを受けているかを答えられるようにしておきましょう。

生育歴などは、書類に書いていても改めて聞かれる場合が多いので、答えられるようにメモ等を用意しておきましょう。
出生から現在まで何らかの治療や投薬を必要とした場合、それについても質問があります。 例えば低出生体重児の場合、生育歴に加えNICUに何日入ったか、どのような治療をしたか等を聞かれます。
また、出生時や現在の身長体重は、インチとポンドで聞かれるので、あらかじめ換算しておく事をおすすめします。


5 ミーティング
Evaluationが終了すると、日を改めてその結果に基づいたミーティング(IFSP Meeting)が行なわれ、セラピーの回数や時間目標などが決定されます。
そのミーティングには、セラピスト、先生、サービスコーディネーター 、子供、その家族が参加できます。

もし提示された回数では足りないと思った場合などは「それでは足りないのでもっと増やして欲しい」など、自分の意見をしっかり言いましょう。
また、日本語が通じるセラピストさんがいるかも知れないので、日本語が通じる人がいればその方にお願いしたいとリクエストする事もできます。


6 学校の見学
CPSEプログラムは、基本的に自宅でのセラピーはなく、通学になります。
今までEIでサービスを受けていた場合でも、CPSEは管轄が違うため、EIで担当して頂いたセラピストさんに続けて担当してもらう事ができなくなります。
また、通っている学校がEIのクラスしかない場合は、新たに学校を探す必要があります。

現時点では就学前児が日本語で通える専門施設はないため、英語のみの環境になりますが、日本語のセラピストさんが見つかった場合は、そのセラピーの時間だけ学校に来てもらう事ができます。

学校の選択肢は実にさまざまで、軽度の遅れがある子供のための学校、自閉症や広汎性発達障害に特化した学校、身体障害児のための学校、色々な障害児を受け入れている学校、健常児のクラスもある学校など、さまざまです。
見学に行って、親子共に気に入った学校を選びます。

通学に関してはスクールバスが利用できるので、車の運転ができない、場所が不便、などの心配はありません。 ただし法律で、スクールバスに60分以上乗ってはいけないと決まっているため、あまり遠くの学校を選ぶ事はできません。
遠いけれどどうしても通わせたい場合は、自分で送迎する必要があります。

また、スクールバスの送迎も、自宅以外の場所に指定する事ができます。
共働きなどの事情で、学校が終わってからは保育園に預けたいような場合は、朝は自宅に迎えに来てもらい、帰りは保育園に送ってもらう、といった方法もあります。

支援学校ではなく、日本人向けの幼稚園に通う場合
セラピストさんが幼稚園に来てセラピーを行ないます。
現地の支援学校に通うと、学校にいる間は常に支援の専門家がサポートしてくれますが、日本人向けの幼稚園の場合は、基本的にセラピーを行なう時間のみの支援になってしまいます。
しかし子供によっては、支援の長さよりも日本語環境を重視した方が良い場合もありますし、どちらがいいかの判断は子供によって変わってきます。
また、州をまたいで通学している場合などは、公費でのセラピーを受けられない可能性があります。


7 通学とセラピーの開始
通学する学校や担当セラピストさんが決まったら、いよいよセラピーの開始です。
開始後は一年に一度、セラピーの効果や目標を話し合うミーティングがあり、子供に合わせた調整が行なわれます。
その際、必要ないと判断されれば時間や回数が減る事もありますし、新たに発達に不安な部分があればそれに関するEvaluationを受け、新たなセラピーが開始される場合もあります。
このミーティングは、一年を待たなくても、親が希望すればいつでもセッティングしてもらう事が可能です。


8補足
Evaluationが終了し、セラピーの詳細を決めるミーティングの連絡が来たら「ミーティングの時には日本語の通訳さんをつけて欲しい」とリクエストしましょう。
必ず来てくれるとは限らないのですが、可能な場合が多いです。
また、OTやPTなど、体の動きを見るようなEvaluationではそれほど英語力は必要ないですが、STのような言葉に関するEvaluationの場合は、子供が日本語で言った事を英語に訳するように言われる場合もありますし、多少の英語力は必要になってきます。


     
image